女性がブラを外した後の姿

女性がブラを外した後の姿

2015年に、フォトグラファーのジャスティン・アレクサンダー・バーテルズ(Justin Alexander Bartels)は、《The Impression》という作品シリーズを制作しました。この作品は、女性が衣服を脱いだ後に身体に残る下着の締め付け跡を記録したものです。このシリーズは、ファッション業界が着心地についてどれだけ考慮しているのか、その姿勢に疑問を投げかけることを目的としています。バーテルズは、女性が服を脱いだ後に残る痕跡を通じて、ファッションが身体に与える影響を捉えました。

 

 

このような下着の跡は多くの女性にとって「日常の光景」と言っても過言ではありません。

これは私たちが、世間一般で言う理想的な体型を手に入れるために支払っている代償なのです。

私たちが毎日服を脱ぎ見るその跡は、他人に良い印象を与えるために自分を犠牲にしてきた証です。「美」という概念に囚われた私たちは、服で自分自身を牢獄に閉じ込めているのです。

胸は張りがあって、大きくなければならない、それと同時にウエストは細くなければならない......女性の体に対する社会の要求は常に厳格です。だから私たちは完璧な体型になろうと、合わない下着に身体を詰め込みます。

しかし、私たちはつけ心地を犠牲にし、通気性のないブラを身につけることで本当に完璧な体型が得られるのでしょうか?
胸の垂れを防ぎ、胸を大きくし、ハミ出たお肉を取り除く……本当にブラにはこれほど多くの魔法のような効果があるのでしょうか?

今日は、下着やバストに関してよく話題になる二つの「誤解」について話し合いましょう。

 

誤解①: ブラをつけないと胸が垂れる

この質問に答える前に、まず胸が垂れる原因について理解しましょう。

胸は主に皮膚、脂肪、乳腺、筋肉、そしてクーパー靭帯で構成されています。その中で、クーパー靭帯は、皮膚と脂肪および乳腺を吊り上げることで、胸を支え固定する役割を果たしています。

年齢を重ねると、クーパー靭帯は伸び、それによって胸が垂れることになります。これはブラを着けるかどうかとはほとんど関係がありません。

胸は垂れる時に、自然に垂れます。

 

(提供: PIXTA)

 

誤解②: 機能性下着は胸の形を整えることができる。

多くの女性は、胸が垂れたり、外向きになることを心配し、完璧な胸の形を作ると謳われている機能性下着に目を向けます。

まず、垂れ防止については先に述べたように、ブラジャーでは防ぐことができません。また、胸の外向き防止についてですが、これは単に個人によっての胸の形が異なるだけです。

機能性下着は、着用中に一時的に胸を支えることはできますが、脱いだ後に胸は元の状態に戻ってしまいます。

他人の目を気にするよりも、私たちがすべきことは、自分自身を喜ばせることなのかもしれません。 ブラは、締め付けるものではなく、自分を自由に表現できるものであるべきです。 たとえ身につけないことを選んだとしても、それはまったく問題ではありません。ユニークゆえに美しい女性たちが、下着を脱いだ後も「一般化された美への代償」など気にすることなく、自分自身の体をそのまま受け入れられることを願っています。

 

最後に、バートルズが制作した《The Impression》の一編を紹介します:

“The IMPRESSION series came about from my dating experiences in college, noticing the different trends and styles that women wore to ‘impress’ or gain attraction. It interested me that so many women would wear binding or uncomfortable clothing, to either impress or attract others, or for their own self-esteem. Having degrees in both Sociology and Photography + Imaging, they definitely combined in this project to show my interest in how society functions, but to also show it in a visually compelling way. I hoped this series would reach women, and inspire them to question what they wear, and why they wear it.”

「《The Impression》シリーズは、私の大学時代のデート体験から生まれました。女性が『印象づける』ためや魅力を得るために身につける様々なトレンドやスタイルに気づいたことがきっかけです。多くの女性が他人に良い印象を与えたり惹きつけけたりするため、または自己肯定感のために、きつかったり、リラックスできない服を着ていることに興味を持ったのです。社会学と写真学の学位を持っている私にとって、このプロジェクトでは社会がどのように機能するかという私の関心を示すと同時に、視覚的に説得力のある方法でそれを表現しました。このシリーズが女性に届き、彼女たちが自分が何を着ているのか、そしてなぜそれを着ているのかを問うきっかけになることを願っています。」